相続人の数が多い場合の相続手続き〜遺産分割協議のポイントは人数を絞ること

 

 

相続人が10人以上、20人以上いる、というケース。

 

場合によっては、相続人が40人を超えるようなケースもあります。

 

こんなに大勢いたら、遺産分割協議をしたくても、全員が集まることは難しいでしょう。

 

遺産分割協議書に全員の署名・捺印をするだけであっても何ヶ月もかかることもあります。

 

面倒ですが、相続は全員の合意がないと、亡くなった方の銀行預金を引き出したり、不動産の名義を変更することさえできません。

 

また、相続人が多い場合、きちんと数を把握しておかなければいけません。

 

後になって実はまだいた、なんてことになると面倒です。

 

遺産分割の進めかたも重要となります。

 

相続人が多数いることは、人数の数だけ意見も出るため、些細なことで揉めてしまうからです。

 

ここでは、相続人が多い場合の相続手続きの進めかたを紹介します。

 

1. 相続人が40人以上もいる!どうやって手続きを進めていけばいいの?

 

父が亡くなり、財産目録を作成するために色々と調べていました。

 

すると、30年以上も前に亡くなった祖父名義の土地を発見。

 

本来なら父が相続し、名義変更をするはずだったようですが、田舎の荒れ果てた資産価値もたいしてない土地だったため、手続きをし忘れたのです。

 

さらに、父に相続するというのは口約束だけであって、遺言書も遺産分割協議書もありません。

 

父以外にも相続人はいましたが、誰もその土地のことを知らなかったため、祖父名義のままになってしまったようです。

 

そこで、この土地を私がどうにかしなくてはいけないと思い、相続について調べました。

 

すると、祖父の子供となる父や父の兄弟は全員亡くなっているため、さらに父の兄弟の子供達が相続人として含まれることがわかりました。

 

私と姉を含めると、その数は40人。

 

相続人があまりにも多く、どうしたらいいかがわかりません。

 

遺産分割協議をするにしても、何から始めたらいいのか。

 

また、公平性を保つために、1つの土地を40人で分けなくてはいけないのか?

 

従兄弟達にも意見を聞くべきですが、遠方の人も多いため、なかなか会えない状況です。

 

このような場合にはどうしたらいいのでしょうか。

 

2. 相続人の数が多い場合の対処法?ポイントは人数を減らすこと

 

荒れ果てた土地を遺産分割協議して相続するにしても、売却するにしても、人数が多いとかなり大変です。

 

スムーズな手続きを行うためのポイントは、人数を少なくする、という点です。

 

土地の存在を知らせるために、最初は全ての相続人に連絡を取ることは必要ですが、その後に人数を絞っていきます。

 

人数を絞るためによくとられる方法が次の3つです。

 

相続人の代表者を決めて代表者同士で遺産分割協議を行う
一人以外の相続人には相続放棄をしてもらう
相続人に自分の相続分を譲渡してもらう

 

2-1 相続人の代表者を決めて代表者同士で話し合う方法

 

相続人が多い場合、グループ分けしてそのグループの代表者同士が話し合う方法をとると、話し合いがスムーズになります。

 

例えば、祖父の相続人が長男、次男、長女、次女と4人いるとします。

 

しかし、この4人がすでに亡くなっている場合には、さらに4人のそれぞれの子供が相続人となり相続人の人数が増えてしまいます。

 

そこで、長男の相続人の代表、次男の相続人の代表というように、それぞれの相続人の代表者を選定するのです。

 

代表者になる人は、他の相続人から遺産分割協議についての委任状を受けとっておきます。

 

結果、4人の代表者だけで話し合いをおこなうことで話し合いがしやすい状況になります。

 

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2-2 一人に相続させることに問題ない場合には他の人に相続放棄をしてもらう

 

荒れ果てた資産価値もないような土地の場合、一人の相続人に相続させる方法をとることも可能だと思います。

 

他の相続人には家庭裁判所で相続放棄をしてもらいます。

 

相続放棄が受理されれば、他の相続人は相続人ではなくなり、遺産分割協議とは関係のない存在となるため相続手続きが行いやすくなるのです。

 

なお、相続放棄の期間は相続の開始を知った時から3ヶ月以内とされていますが、今回のケースでは祖父が亡くなってから何十年と経っていますが放棄は可能です。

 

相続人が問題となる土地の存在をこれまで知らなかったからです。

 

最高裁の判決では、相続放棄の熟慮期間は、

 

「相続人が相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時から起算すべきである」

 

としています。

 

今回のケースでもこの判決に当てはまると考えられるので、相続放棄は可能だと思います。

 

ただ、他の相続人に相続放棄をしてもらわないといけないので、手間はかかります。

 

相続放棄を提出する裁判所は祖父の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

 

その家庭裁判所から遠方に住む方もいるでしょう。

 

郵送でもできますが、他の相続人に3ヶ月以内に手続きをしてもらう必要があるので、しっかりと意思疎通をしておかなくてはなりません。

 

また、そもそも祖父が亡くなった際の相続人(祖父の子供)の誰かが単純承認をしていた場合には相続放棄はできません。

 

相続放棄が可能かどうか、相続人(祖父の孫)となる方に確認する必要があります。

 

慎重に進めていってください。

 

2-3 他の相続人に相続分を譲渡してもらう方法

 

相続放棄することに抵抗がある相続人もいると思います。

 

その場合には、「相続分の譲渡」という方法が良いでしょう。

 

相続分の譲渡とは、

 

自分の相続分を、他の相続人や相続人ではない人に譲り渡すことです。

 

譲渡した相続分だけの権利を失うため、相続人としての地位は失いません。

 

祖父の土地を相続する方に他の相続人が相続分を譲渡してくれれば、結果として土地を相続する方が単独で手続きをおこなうことができます。

 

また、先ほどのそれぞれ相続人の代表者に相続分を譲渡することもできます。

 

この場合にも、代表者だけで話し合い手続きができるので、少ない人数に絞ることができて相続手続きが楽になるでしょう。

 

譲渡については、相続放棄のような期間の制限もありません。

 

遺産分割協議が終わっていなければいつでもできます。

 

3. 相続人の人数が多いからと言ってこのまま放置することはNG

 

相続人の人数が多いからと言って、そのままにしておくともっと大変なことになります。

 

祖父の土地についてひ孫まで相続人になってしまうと、相続人の人数はさらに多くなります。

 

例えば、今は価値のない状態だったとしても、近くに道路が通ったり、工場ができたりすると、価値が出てくるというようなことは良くあります。

 

近所の人が譲って欲しいと言ってくることもあります。

 

そうなった時に自分の子供達がトラブルにならないためにも、自分の代で処理を終わらせておくことをオススメします。

 

4. 人数が多い場合の相続では相続人の数をきちんと把握する

 

相続は、相続人となる全員の最終的な合意が必要となります。

 

よって、一人でもかけていたら遺産分割協議はやり直しとなります。

 

 

まずは相続人が誰なのかを確定する必要があります。

 

必ず相続関係図を作成して整理してください。

 

そのうえで全員に連絡をとり、どのようにするかの意向を全員に伝えていきます。

 

なお、中には行方不明者がいるかもしれません。

 

戸籍や住所地は分かっても、連絡が取れないなど…足止めをくうこともあるでしょう。

 

揉めてしまう場合もあると思います。

 

そのような場合には、最終的には遺産分割の調停・審判を申し立てることが必要となります。

 

相続人が多数となる場合、面倒が起こる可能性は高く、複雑でもあります。

 

スムーズにいかない状況になると予測できる場合には、予め専門家などの意見を聞き事前に対策することをお勧めします。

 

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