競売での売却基準価額は他の評価方法と比べてどれくらい違いがあるのか?売却価格を分析

このエントリーをはてなブックマークに追加  

競売では、手続きが進む中で「売却基準価額」が決められます。

 

売却基準価額とは裁判所が決める価格のことです。

 

売却基準価額

 

裁判所は、売却基準価額をどう決めるのかご存知ですか?

 

競売だからと言って、価格なんてどうでもいいと思っていると、損をしてしまいます。

 

「不動産の価格」について知ってください。

 

売却基準価格と他の評価額の違いについて、具体的に説明していきます。

1. 競売の売却基準価額は市場評価よりも低く評価される!

 

競売の際に裁判所が決める「売却基準価額」ですが、市場の価格(時価)よりも低くなることがほとんどです。

 

そのため、よく「競売物件は安い、お買い得」などと言われます。

 

裁判所が決める価格がなぜ市場価格よりも低く設定されるのか?

 

競売という様々な特性が考慮されて減価されることになるからです。

 

競売物件の特性については、下記のようなことがあげられます。

 

  • 売主(所有者、債務者)が協力的でないケースが多い
  • 競売物件という抵抗感
  • 内覧制度はあるものの、あまり利用されず、買受申出人が物件の内覧ができない
  • リフォームなどがされず、そのまま引き渡される
  • 落札した場合、売却代金を1か月以内に一括で支払う必要がある
  • 買受人は売主(所有者)に対しての明け渡しなど、直接交渉しなくてはいけない(法的手続きで明け渡しを求めるケースもある)

 

競売への抵抗権

 

このような事情があることから、市場評価(時価)よりも低く評価され、結果的に市場よりも安く取引が行われているわけです。

 

また、減価率については、各地によって異なりますが、概ね約60%前後(都内は30%)とされているケースが多くなっています。

 

競売については、少し前の話をすると、「最低売却価額」という制度もありました。

 

裁判所が決める最低売却価額よりも上の金額を設定して入札しなければいけないという決まりです。

 

しかし、この制度だと、市場の価値よりも高い価格が設定されてしまうケースも出てしまったのです。

 

入札件数も少なくなり、競売取引が不成立に終わるなどの問題もあり、現在の「売却基準価額制度」に変更されたわけです。

 

1-1 売却基準価額制度とは?入札者が増えて競売取引が成立する制度!

 

この制度での建物の価格の基準は、「売却基準価額」となります。

 

既に説明したとおり、競売で基準となる価格を決定するのは執行裁判所です。

 

裁判所が調査を行い、評価書に基づいて定めています。

 

そして、以前の制度と大きく異なる点が、基準価格を20%下回る価格でも入札が可能となったことです。

 

競売の最低入札額は低くなり、入札者が多くなりました。

 

競売取引が不成立に終わるという問題も解消されたわけです。

落札

 

なお、この20%減額した価額のことを「買受可能価額」といいますが、これも公示されます。

 

競売取引を検討されている場合はチェックしておきましょう。

 

2. 売却基準価格と他の評価額の違い!損をしないための知識

 

不動産の価格を決める際の評価方法は、裁判所が決める売却基準価額というのを除いて5つもあります。

 

・国土交通省が出す公示価格
・都道府県が出す基準地価
・国税庁が出す路線価
・市町村が出す固定資産税評価額

さらに、別に「時価(実勢価格)」(実際に売買された価格)があります。

 

通常、この中で、一番低い価格となるのが競売における「売却基準価額」です。

 

一方、一番高いのは?

 

時価でしょう。

 

物件によって異なりますが、時価が一番高くなるケースも少なくありません。

 

評価方法が異なると、同じAという家でも価格は変わるのです。

 

例えば、Aという家があるとします。

 

公示価格

1600万円

路線価

1800万円

時価

2000万円

 

裁判所は競売物件の価格を決める際、これらの評価方法をもとに「売却基準価額」を決定しますが、ポイントはこれらの価格より低く設定るする点です。

 

具体的には、

 

上記のAのケースだと、売却基準価額は1080万〜1260万円。

 

すでに説明したとおり各地によって異なりますが、概ね約60%前後(都内は30%)の価格で出されることが多くなっています。

 

このように、競売での取引は通常の取引よりも格段と価格が低くなるのです。

 

少しでも高く売ってローン債務を減らしたい場合には、競売手続きが進んでいくのを黙ってみていてはいけません。

 

任意売却の可能性を模索してください。

 

 

3. 住宅ローン債権者は裁判所の基準価額を知りたい!あえて競売を進めることもある!

 

債権者に任意売却を申し出ても、なかなか応じてくれず、「任意売却ではなく競売の方向で進める」というケースも中にはあります。

 

これは、その建物がいくらで売れるのか?を債権者がきっちり見極めたいからです。

 

見極めるために債権者が参考にするのが、売却基準価額です。

 

そのため、「競売の手続きを一度進めてから任売を検討しましょう」なんてことを言う担当者もいます。

 

担当者にしてみると、任売で進めるとなれば上司に申し出て会社の決済を取らなくてはいけません。

 

裁判所が基準価格を示して、その基準より高く売れるのであれば、「任売手続きを進めて良い」という承諾を得やすいというわけです。

 

「どの方法で売れば、より多く債権を回収できるか?」

 

これは債権者にとっては重要です。

 

この判断をするうえでも非常に重要となるのが売却基準価額なのです。

 

債務者としても、このような事情を理解したうえで任意売却の交渉をすると、スムーズかもしれません。

 

ただ、時間的な余裕はあまりありません。

 

任意売却へしたい場合には、専門家のサポートを受けてください。

 

トップへ戻る