友だちとの賭けごとで負けた!支払う義務はあるの?
ちょっとした賭けごとで大損!
払えないでは済まないの?
友だちと麻雀旅行へ。
いつもは賭け金なしでやっていたが、その時はお酒が入っている事もあり賭け麻雀をする事になりました。
けれど麻雀初心者の私は負けが重なり、ちりも積もれば山となるではないですが、小額の掛金があっと言う間に多額の負債に…。
その場では払わず、しばらくすれば忘れるだろうと、そのまま不払い状態にしていました。
けれど、その後にその仲間達と飲んだ時です。
「お前、まだ支払ってないからな」と怒りだしたのです。
しまいには「これは犯罪だ!詐欺だ!」と言いがかりを付けられる事に…。
この相談、一体どうなるのか考えていきましょう。
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法律的に払わなきゃいけないの?
皆さんご存知かと思いますが、そもそも賭け事は、刑法第185条によって禁止されている行為です。
刑法第185条には、「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。(後略)」ともあります。
つまり、刑法で禁止されている賭け事で仮にお金を手に入れた場合、それは犯罪によってお金を手に入れる事になってしまうのです。
更に民法90条が関わってくるのですが、 民法90条は公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とするという条文です(公序良俗)。
この意味ですが、公の秩序(国家や社会などの一般的な秩序)や、善良の風俗(社会の一般的な道徳的観念や社会通念)に反するような法律行為は無効となるという事です。
すなわち、社会的に妥当性に欠けるような法律行為や契約は、無効です!
はじめから無かったことになるんです(民法第119条参照)。
そして、民法90条でいう公序良俗違反となる行為には、ここで問題となっている賭け麻雀=賭博行為も含まれます(正義の観念に反する行為)。
よって、賭け麻雀での負けの支払いは、民法90条により拒否する事が出来るのです。
そして、刑法第19条第1項第3号も関連する法律なのであげておきます。
「犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物は没収する事が出来る」 これは、簡単に言うと「犯罪で得たものは、即没収ですよ~」と言う感じです。
つまり、賭け麻雀などの賭け事でお金を手に入れた場合、刑法185条により50万円以下の罰金を支払わされる上、刑法19条第1項第3号により得たお金は全て没収されてしまう事になりますね。
ただし、刑法第185条の但し書きもチェックしておきましょう。
185条の後の部分です。 「ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない」 判例によると、この「一時の娯楽に供する物」とは、それを得た人が、その場ですぐ使い終わるような物の事だと考えられています。
賭けたのもがお金でではない場合
例えばですが、何かの会で食べ物などを賭けた場合。
賭け事ではありますが、勝った人はその食べ物をその場で食べてしまえば罪にはなりません。
しかし、お金はダメです。
「一時の娯楽に供する物」ではないとの判決がありますから、お金の賭博は犯罪となります。
また、お金以外のものでも、その場で使い終わらない物なら犯罪となります。
このように、そもそも賭け麻雀は犯罪であり、負けたお金を支払うべきかどうかは論外ですね。
もっとも、法律的な事はおいといてあえて言いますが、間違いなく友だちとの仲が悪くなるのは間違いないでしょうね。
今回は賭け麻雀での相談でしたが、麻雀以外でもお金を賭ける行為が犯罪となるという事を知っておきましょうね。
また、少額だからと言って問題ない、という話でもありません。
お金を賭ければ、処罰の対象になります!
賭けで負けたお金を取り戻せるのか!?
お金を賭けての勝負は犯罪という話しをしましたね。
また、その賭け事で負けたお金の支払いを拒否できるという事も説明しました。
それなら、既に支払ってしまった場合はどうなるのでしょうか?
犯罪行為による金銭のやり取りであるから、無効であり取り戻せるものだと勘違いしそうですね。
「あの時のお金を返して!」と言えそうですが…。
残念ながら返してもらえません!
これに関しては民法第708条(不法原因給付)を見て行きましょう。
「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。」
賭け麻雀で例えるなら、犯罪での金銭の支払い(違法な契約の為に支払ったお金)については、法律は保護しない!ってことです。
つまり、賭け麻雀などの賭博行為において支払ってしまったお金は取り返せない、という事です。
そもそも、違法な賭け麻雀をしていたのは自分です。 それで負けたからと言って、「お金を返せ」はないですよね。
あまりにも虫が良すぎる!って感じです。
法律は悪い事をした人には容赦ないという事です。
気をつけましょうね!
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