うちの庭を覗き込んでくる人がいる!!これって罪にならないの!?

ちかさん一家は、旦那さんのつよしさんとちかさん、そして、可愛い2歳の娘のあやかちゃんの3人家族です。

つい先日、ちかさん一家は憧れの一軒家を購入し、新居へ引っ越してきました。

これからの新生活に向けて、ちかさんの胸は希望でいっぱいでした。

ところが…

待望の新生活は、波乱の幕開け

引っ越し当日、引っ越し業者さんが忙しく荷物の搬入をしてくれている間、旦那さんは家の中で忙しく荷物の開封作業を行っていました。

ちかさんは、まだ小さいあやかちゃんが荷物の搬入を邪魔しないよう、一緒に庭先へ出て遊んでいました。

あやかちゃんは、新しいおうちの庭をとても気に入り、ニコニコご機嫌でした。その様子を見たちかさんも思わず笑顔になり、2人は楽しくボール遊びをしていたのです。

それからしばらくして、ふと、ちかさんが庭から道路側に視線を向けると…庭の塀のすぐ向こうから、じっとこちらを見ているおじいさんがいることに気づきました。

しかも、ちかさんがおじいさんに視線を向けても、おじいさんは視線をそらすこともなく、変わらずじっとこちらを見たままです。

「こ、こんにちはー!」

おそらく、ご近所の人なのだろうと思ったちかさんは、大きな声で挨拶をしながら、頭を下げました。

ところが、おじいさんは微動だにしないまま、ずっとこちらを見続けていたのです。

庭の塀はちょうどおじいさんの胸くらいの高さなので、塀のすぐ傍に立てば、庭を一望することができます。

引っ越し業者もひっきりなしに出入りしているし、路上に大きなトラックもいるので、『引っ越しをやっているのかな?』と気になったとしても、不思議はありません。

でも、遠目からちらっと見るならとにかく、塀のすぐ傍に立って、黙ってずっとこちらを見続けるおじいさんに、ちかさんは少し恐怖を覚えました。

そのまましばらく、お互い無言のまま見つめあう時間が続き、ちかさんが沈黙に耐えられなくなった頃、

「ちかー!ごめん!この段ボール2階でいいんだっけー??」

リビングから、つよしさんの声がしました。

はっと我にかえったちかさんは、あやかちゃんを連れて、そそくさと家の中に入りました。


☆「あ、あなた!家の外に、変なおじいさんがいて、ずっとこっちを見てくるのよ!」

■「うん?近所のじいさんじゃないの??引っ越しが気になって見てたんじゃない?」

☆「だけど、何か変なのよ。こっちが挨拶しても返事もしないし…ずーっと黙ってて…」

■「ふーん、じゃ、ちょっと見てくるよ。」

スタスタと庭のほうに歩いていったつよしさん。しかし、すぐに戻ってきました。

■「じいさん、居たけど…俺が庭に出てすぐにどっか行っちゃったよ。やっぱり、気になって覗いてみただけじゃないの?」

☆「そ、そう。ならいいんだけど…」


結局、その日、おじいさんはもう現れず、ちかさん達も引っ越しの荷ほどきに忙しかったため、うやむやのまま終わりました。

やっぱり気のせいなんかじゃない!!毎日うちを覗きに来てる…?!

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引っ越しから数日が経ち、ようやく荷ほどきも完了したちかさんは、その日あやかちゃんと一緒にのんびり庭で遊んでいました。

そして、しばらくしてふと顔をあげてみると…

なんと!

再びあのおじいさんが塀のすぐ傍に立っていたのです。

思わず、ビクッとしてしまったちかさん。

先日同様、やはりおじいさんは、ちかさんが視線を向けても微動だにしません。相変わらず、じーっとこちらを見つめ続けているのです。

「こ、こんにちは!」

ひょっとしたら、前回は耳が遠くてちかさんの声が聞こえないだけだったのかもしれない!と考え、ちかさんは、かなり大きな声で挨拶をしました。

しかし、やはりおじいさんに反応はありません。

恐怖はありましたが、ちかさんは意を決しておじいさんに近づいていきました。

「あのー、何か御用でしょうか?!」

ちかさんがおじいさんの方に歩きはじめると、その動きを見たおじいさんは、今度はすぐにくるりと踵を返して、スタスタと道路のほうへ歩いていってしまいました。

「…何なのよ、あの人…」

ちかさんは気味が悪くなってしまい、あやかちゃんを連れて、家の中へと急いで戻りました。

しかし…その後、更なる恐怖の日々がちかさんを待っていたのです!!

翌日も、あやかちゃんが庭で遊びたがっていたので、ちかさんは恐る恐るリビングのレースのカーテンを開けてみました…すると!!

やはり、例のおじいさんが塀のすぐ傍に立って、庭のほうをじーっと見ているのです。

「ひっ!?」

思わず声をあげてしまったちかさん。誰もいない庭をじっと見つめているおじいさんの姿を見たちかさんは、ぞっとするものを感じました。

もう、ここまでくると流石に「たまたま通りすがりに、ちょっと人の家の庭をチラ見した」というだけでは済ませられない、何かを感じました。

『あの人、何でいつもうちを覗いているの??気持ち悪い!!』

こうして、ちかさんの恐怖は最高潮に達したのです。

「どうして皆我慢してるの!?悪いのはおじいさんなのに!!」

あれから数日、ちかさんは注意深く2階の窓からそっと外を確認することにしました。

すると、やはり予想通り、例のおじいさんは毎日ちかさんの家の前でじっと庭を覗いているのです。

酷い時は、10分以上、誰もいない庭をじっと見つめていました。

おじいさんは、今のところ、塀の傍から覗きをしているだけですが、いつ家の敷地内にはいってくるかもしれません!

いくら自宅の庭とはいえ、こんな状態では、小さなあやかちゃんを庭で遊ばせることに危険すら感じてしまいます。

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しかも姑息なことに、つよしさんが家にいる土日には、あのおじいさんも覗きをしに来ないのです。

女性のちかさんと、小さなあやかちゃんの2人きりの日だけを狙ってくるというのも、より、ちかさんに恐怖を感じさせました。

『このままではいけない!!』と、ちかさんは、何とかしてあのおじいさんの覗き行為をやめさせようと考えました。

まず、ちかさんは、あのおじいさんが何処の誰なのかはっきりさせようと思いました。

うまくすれば、おじいさんの家族から、覗きを止めるように厳しく注意してもらえるかもしれません。

ちかさんは、先日引っ越しの際にご挨拶に行った隣のおばさんに、それとなく話を聞いてみました。

すると、例のおじいさんはちかさんの斜め向かいのお宅に住んでいるということがわかったのです。

「あそこのおじいさん、昔からずーっと独り者でね。昼間はいつもその辺をプラプラしてるのよ。」

お隣のおばさんは、表情を曇らせながらそう言いました。

★「あなたも気を付けなさいよ。あのおじいさん、面倒臭い人だから。」

☆「面倒臭いって…何か、トラブルとかがあったんですか??」

★「…うーん、あそこのおじいさんね、よく人んちを覗いて回ってるのよ。しかも、若い女の人がいるようなおうちばっかり!!あの年になっても、いつまでも女の人追いかけ回して…本当に嫌よねぇ。」

☆「そうなんですか…。」

★「何度注意したって聞かないんだから!あなたも気をつけなさいよ!!」

☆「あ、あの…実は…」

ちかさんは、おばさんに事情を話し、既に自分も覗き被害にあって大変困っているということを説明しました。

★「あら、もう目をつけられちゃったのね…可哀そうに。」

☆「はい…気味が悪いし、本当に困ってて…あの!皆さん、どういう対策をされてるんですか??」

★「うーん、対策って言ってもねぇ。皆、直接文句は言ってるみたいだけど、ちっとも言うこと聞かないみたいだし…もう皆、諦めちゃってるんじゃないかしら…」

☆「そんな…じゃあ、皆さん、覗かれても我慢してらっしゃるんですか。」

★「そうねぇ。言って聞くような性格じゃないからねー。」

おばさんは、おじいさんの迷惑行為をよく思ってはいませんが、そこまで深刻なものとも捉えていないようでした。

★「まぁ、あなたのおうちを覗いてるのを見かけたら、私がガツンと言って追い払ってあげるわよ!」

人の好さそうなおばさんは笑顔でそう言うと、家へと帰って行きました。

結局、対応策を聞き出せなかったちかさんは、がっかりしてしまいました。

『ご近所の人たち、皆、あのおじいさんの覗き被害にあってても、我慢してるんだ…被害者なのに…』

こんなに怖い思いをしているのに、あの覗き、犯罪じゃないの?!

さて、では今回のトラブルについて、詳しく見ていきましょう。

おじいさんは、毎日、ちかさんの家の庭を、塀の外から一定時間覗いています。

しかし、おじいさんは『敷地の外』から覗いているだけであって『不法侵入』をしたわけではありません。

このため、あくまでも今回は、おじいさんの『覗き』行為が犯罪になるのか??というのがポイントとなります。

軽犯罪法
第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三  正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
「軽犯罪法」より

上記の通り、覗き行為は『軽犯罪法』という法律で規制されています。

しかも、ここに規定されている行為に該当する場合、『拘留』または『科料』という、刑事罰に処することが可能なのです。

拘留(こうりゅう、英語:penal detention)とは、自由刑の一種であり、受刑者を刑事施設に拘置する刑罰である。同音の勾留とは別である。区別するために、拘留を「テこうりゅう」、勾留を「カギこうりゅう」と読む場合がある。
1日上以30日未満(最長29日)の範囲で科される。同種の刑罰である禁錮より短期間である。しかし、禁錮と違って執行猶予を付すことはできないので、必ず「実刑」となる。刑法の規定上は「罰金より軽い刑」とされているが、刑事施設収容に伴い、必要な限度でその者の識別のための身体検査や、刑事施設の規律及び秩序を維持するため必要がある場合には、身体等の検査の措置が執られることとなる。
「拘留? Wikipedia」より

科料(かりょう)とは、「1000円以上1万円未満(つまり9999円以下)」の金銭を強制的に徴収する財産刑の一種である。日本の現行刑法における主刑で最も軽い刑罰で、軽微な犯罪に対して科される。罰金と類似しているが、罰金は1万円以上である。
市町村役場の犯罪人名簿には記載されないが、検察庁保管の前科調書には記載され、前科となる。
行政罰の一種である「過料」(かりょう)と区別する意味で、科料を「とがりょう」と読み、過料を「あやまちりょう」と読むことがある。
「科料 ? Wikipedia」より 

しかし、この軽犯罪法第1条23項に記載されている内容をよく見てみると、覗きの場所が『家の中、建物の中』に限定されていることに気づくと思います。

そう!実は…今回のケースの場合、残念ながら、あのおじいさんに軽犯罪法を適用するのはかなり難しいのです。

というのも、今回おじいさんの覗き先となっている庭は、『屋外』とみなされてしまうためです。

例え、覗かれている庭がちかさん家族の敷地内であったとしても、庭を『見る』行為自体は『覗き』にあたらないとされるのです。

私たちは『家の中』を、外にいる第三者からの視線にさらされることのない、プライベートな空間と認識しています。

だからこそ、家の中では他人の目を気にせず薄着になったり、お風呂場で裸になったりすることができるのです。

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一方、自分の敷地内とはいえ、道路からちょっと視線を向ければ全てが見えてしまうような庭先で、全裸になったりはしないですよね。

それは『家の外だから、第三者の目があるかもしれない』と認識しているためです。

意図的に道路から完全な目隠しとなる高い塀などをつくり、敷地を囲っていた場合はまた少し話は変わってきますが、

少なくとも、今回のちかさん宅の塀は、大人の胸程度の高さであり、大人であれば誰でも容易に庭全体を見渡せるような作りにあっていました。

このため、ちかさん宅の庭を覗いていたからといって、即、軽犯罪法を適用して逮捕!!等ということは難しくなってしまうのです。

犯罪行為に抵触しなくても、警察に相談することは可能!

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気がかりなことがあったら、防犯のためにも通報しよう。

それから数日経っても、相変わらずおじいさんは毎日ちかさんの家の庭を覗き込んできます。

困りはてたちかさんは、遂に、110番に通報することを決意しました

しかし、『近所のおじいさんが庭を見ている』なんて曖昧な伝え方をしたら、

『え、ご近所さんなんですよね?じゃ、当人同士で話してください。』と、軽くあしらわれてしまうと思ったので、

『男の人が、10分以上ずっと家の前に立ち尽くして家を覗いてくる。10日以上、毎日続いていて、いつか何かされるんじゃないかと大変怖い。家には幼い娘と2人だけなので、すぐに見にきてほしい。』

とできるだけ詳細に、また、継続して被害にあっていて、大変悪質であることを伝えました。

また、おじいさんからの逆恨みを避けるため、くれぐれも通報者が自分であると伝えないよう、しっかりと念押しをしました。

それからしばらくするとお巡りさんがやって来て、おじいさんと立ち話をはじめたようでした。

家の中から静かに様子をうかがっていたちかさん。

話し声がなくなり、そっとカーテンの隙間から外を見てみると、お巡りさんに連れられて、おじいさんが去っていく後ろ姿が見えました

その後しばらくして、お巡りさんは再び戻ってきて、結果を報告に来てくれたのです。

★お巡りさんがおじいさんに『何をしているのか?』と何気なく声をかけたところ、

『別に何もしていない。』『散歩途中に通りかかっただけ。』と答えたとのこと。

★お巡りさんの方から、『最近、この周辺で他人の家を覗いてまわっている不審者がいるという目撃情報があったので、怪しまれる行動は控えるように』と注意をしたとのこと。

お巡りさんは、おじいさんを逆上させないよう、やんわりと上手に警告をしてくれたようでした。

★「また、何かあったらすぐ連絡してください。しばらくは、こちらへの見回りも増やしますので。」

お巡りさんは、ちかさんにとても親身に対応してくれました。

ちかさんは、おじいさんが毎日大体決まった時間に覗きにくることを伝え、その時間に重点的に見回りをしてもらうことにしました。

こうして、しばらくはおじいさんが覗きに来る度、見回りのお巡りさんが声をかける、ということをくり返し、遂に、おじいさんはちかさんの家の庭を覗き見に来ることを止めたのです!!

流石にあのおじいさんも、お巡りさんの目の前で、赤の他人の家の庭を10分以上覗き続けるなんて不審な行為はできなかったのですね。

こうして、かなり時間はかかりましたが、ちかさん宅のトラブルは無事解決しました。

犯罪ぎりぎりのおじいさんの行為

毎日怖い思いをさせられているのに、法律上問題がない、というのはどうにも納得がいかないですよね。

ですが、勿論、法律に触れなければ何をしてもいいというわけではありません。

不快に感じたり、恐怖を与える行動をされて、ひたすら我慢するようなことはしなくてよいのです。

こうした行為が咎められないまま放置しておくと、行動がエスカレートして、いつか犯罪にまで発展しまうこともあるのです。

防犯の意味でも、このような段階でしっかりと不安の芽を刈り取っておくことはとても大切です。

今回のちかさんのように、『こういう事情で困っている』と警察に詳細をきちんと説明して、一緒に対応策を考えてもらうようにしましょう!!

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