出世したくない!昇進を拒否することはできるのか?

洋介さんはIT企業に勤める32歳のエンジニアです。

洋介さんの趣味はプラモデル作りと鉄道写真を撮ることです。

新年度を間近に控え、洋介さんは憂鬱で仕方ありません。

きょうも大きなため息をつきながら出勤しています。

というのも、新年度の人事異動で課長に昇進することが決まっており、内示を受けているからです。

本来なら喜ばしいことですが、洋介さんは「ぐうたら社員」だと自認しています。

これからも好きなプラモデルづくりと鉄道写真の撮影旅行に時間を費やしたいため、余計な仕事や責任を負いたくないというのが本音です。

課長になると残業手当が付きません。

今までは趣味の時間が減ってしまうのは嫌でしたが、手当が出るため仕方なく残業をこなしてきました。

しかし課長に昇進したがために下手すると今より収入も自分の時間も減ると思うと正直「やってられないな」という気持ちになります。

いっそのこと、このまま平社員でいたいと思う洋介さんなのですが、課長昇進を断ることはできるのでしょうか?

昇進を断ることはできるの?

結果からお話しましょう。

洋介さんのように「自分の時間がほしいから嫌だ」というような理由では、昇進拒否の正当な理由とは認められません。

もし、洋介さんが会社からの説得に応じず昇進を拒否し続ければ、解雇を含め厳しい懲戒処分を受ける可能性もあります。

では、昇進拒否の正当な理由とは何でしょうか?

ストレス性の病気で、医師からストレスを避けるようにと言われており、その意見書が提出できる場合とか、介護や育児で難しいなどです。

労働基準法や男女雇用機会均等法で国籍や信条、性別による昇進差別は禁止されています。

しかし、本人の同意がなければ昇進を命じることはできないという規定はなく、企業の人事権に従って従業員の同意がなくても昇進を命じることができます。

洋介さんはプライベートの時間を充実させたくて昇進を望んでいませんが、他に様々な理由で昇進を望まない人も多くいるようです。

なぜ昇進したくない人が増えるのか?

私は転職を経験していますが、前の職場で上に行けば行くほど足の引っ張り合いや上司と部下の板挟みになり苦しんでいる方々を見たことがあります。

そういうのを見ていると「平社員が一番楽だなぁ」という気持ちになるのもわかる気がします。

皆さん、昇進=昇給というイメージがありませんか?

管理職になると給料も上がるのだから「少々のことは辛抱して頑張るか。」と思っているのだろうなと私は考えていたのですが、友人から「古い、古い」と笑われてしまいました。

現在はこういう方程式は成り立たないのですって!

仕事は増え責任は重くなった、しかし管理職手当は付くものの、残業代の支給がなくなって給料はそれほど上がらないという悲しい現実。

大変な上に金銭的なメリットがないとなると、何をモチベーションに頑張ればいいのやら。

管理職って「損だな」と断りたくなるのもうなずけます。

日々努力して昇進し管理職になっても社会的責任が重く、様々なリスクに直面して辛い思いをするくらいなら、昇進せずに平社員として楽に仕事をしていたいというのが本音なのでしょうね。

それに洋介さんのようにIT企業のエンジニアでしたら、現場の方が面白いから管理職になるのは嫌だと考える人も多いでしょうね。

管理職はマネジメントが主な仕事ですから、現場が好きでその仕事を続けたい人にとっては「昇進はちょっと・・・」となるのかもしれません。

最近はストレスが多く、体を壊してまで出世したいとは思わないと考える人も多いようです。

会社も「嫌だ」という人をわざわざ昇進させたくはないかもしれません。

とはいえ、果たして洋介さんの“事情”が会社に理解してもらえるかどうかわかりませんが、昇進の辞令を取り消してもらえる可能性はあると思います。

でも、洋介さんのように重大な理由ではなく、単に自分の時間がほしくて断るなどということをしていると、やる気の無い人だと判断されかねません。

これからの会社人生ではかなり不利になるのではないかと他人事ながら心配です。

社としては積極性のある活気ある人材を求めますし、そういった人を登用して部下を引っ張ってほしいと考えるのが普通だからです。

先に、会社に人事権があると言いました。しかし、その権利は無制限ではないということも付け加えておきましょう。

極端な例にはなりますが、第一線で働いている社員に今まで社に存在しなかった「〇〇課長」などという新たな役職名をつけて、会社の隅の暗い倉庫で細々と荷物整理をさせるというような明らかに悪意のある「昇進」なら、法律上も権利の濫用として認められません。

そういった場合は断固として泣き寝入りしないことです。

時折洋介さんのような人、見かけます。

皆さんの中にも「職場にこんな人いるなぁ」と思った人もいるのではないでしょうか。

以前と違って、「絶対昇進したい」と考える人ばかりではなくなってきています。

最近は必ずしも管理職は目指すべきものではなくなっているようですね。

でも、会社から昇進のお話があったら、よく考えることが大切です。

人として成長できるチャンス、たくさんの人と出会えるチャンスなどなどプラスの面もたくさんあるのです。

せっかくのチャンスを無駄にしないようにしてくださいね。

コメントを残す

サブコンテンツ