会社の健康診断受けたくない!強制なの?

川澄さんはABC会社のナンバーワン営業マンです。

ナンバーワンだけあって、朝早くから夜遅くまで仕事をこなし、休日出勤もいとわずバリバリ働いています。

一昔前のことばでいうと「モーレツ社員」でしょうか。

川澄さんは営業2課に所属しています。

この2課はABC会社の主力商品を扱っています。

課長の指揮も適切で、課員の団結力も強く、営業成績はうなぎ登りになっています。

課長は川澄さんの同期の山北さん。

川澄さんとしてもこの機会に個人の営業成績を上げ、何とか昇進したいものだと考えていたのです。

そんなある日、総務課から「社内定期健康診断」の回覧が回ってきたのです。

営業2課は来週の水曜日午後か木曜日午前のいずれかに受診するようにとの指示が出ています。

課内で川澄さんは水曜日に振り分けられてしまいました。

「ちっ!!この忙しい時に健康診断も何もあったもんじゃない。」川澄さんは不満顔。

「課長、今忙しいんですけどね。これじゃあ水曜日の午後は仕事できないじゃないですか。」

課長の山北さんに不満をぶつけたところ、

「まぁ川澄、仕方ないじゃないか。健康診断、ちゃんと受けてくれよ。俺がいろいろ言われるんだからさぁ。」と何とも煮え切らない返事。

健康診断受けたくない!

当日、渋々近くの総合病院の健診センターへ出かけた川澄さん、採血、検尿と進んでいきました。

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最後はレントゲン、「これが終わったら得意先に行くぞ。」と川澄さんは時計をチラチラ。

その時、得意先から電話がかかってきたのです。

それは契約が取れるかどうかの大切な取引先で、「大至急来てほしい」の連絡に一も二もなくOK。

「明日レントゲンを受けに来ますから。」と言い残してレントゲン検査を受けないまま取引先に向かいました。

その日大きな契約を取ることができた川澄さんは有頂天。

健康診断のことなど頭からすっかり消え去っていました。

伸びていく営業グラフを見上げてうっとりしながら、ますます頑張ろうと燃えるのでした。

そんな川澄さんに総務課から「今週中にレントゲンの受診をするように」とメールが入りました。

しかし、今週は午前も午後もいっぱいスケジュールが入っており、しかもまた大口の契約が取れそうなのです。 営業成績を上げるために必死の川澄さんはこのメールを無視

その後の総務課からの電話も直接の受診依頼も無視し続けたのです。

「これも会社のため」と言い訳しながら・・・。 とうとう課長の山北さんが「おい、川澄いい加減にしろよ。」と怒り出しました。

これに川澄さんが「誰が契約取って来たんだと思ってるんだ。」と言い返し、課内は険悪な雰囲気になりました。

この状態にとうとう業を煮やした部長の神野さんが川澄さんを呼び、

「ここまで言われても健康診断を受けないのであれば、減給処分にするからね。」と厳しく叱りました。

川澄さんは「俺は昼夜問わず会社のために働いているのに、何でこんなことを言われなきゃならないんだ。」と叱責されたことに納得がいきません。

健康診断の受診を拒否した!減給処分になるのか?

労働安全衛生法第66条に、健康診断について企業側の実施義務と労働者の受診義務について述べられています。

しかし、この法律には受診義務を果たさなかった労働者を罰する規定はありません。

「じゃあ受けなくても大丈夫じゃないか」と川澄さんの声が聞こえそうです。

しかし、一般的に健康診断受診を頑なに拒否する労働者に対して、企業は懲戒処分をすることができる処分権を持っています。

もちろん出勤停止などの重い処分はされないでしょうが、減給などの処分は受けそうですね。

川澄さんは「昼夜問わず働いている」と言っています。

こういった人がもし倒れでもしたら・・。

もし倒れたら・・・

仕事過重による過労と認定され、労災と認められるのでしょうか?

健康診断を拒否していた場合、労災にあったときに川澄さん自身が不利益を受けると思いますね。

会社は労働者に健康診断を受けさせ、健康を守る義務があります。

こうして何度も受けるように言っているわけです。

今回のケース

川澄さんが再三依頼されたにもかかわらずこれを怠って病気等が発生したとすれば、川澄さんに損害賠償責任が生じます。

健康診断を拒否した場合は会社から何らかの不利益を課せられても川澄さんは文句は言えません。

たとえば川澄さんが過労死し、家族が会社に対して損害賠償請求をした場合。

川澄さんも健康診断を拒否し、健康管理を怠ったという理由で過失の相殺をされてしまうでしょう。

こういうことを考えると、労働者は健康診断を受ける義務があるということができますよね。

時々どうしても会社が指定する機関で受診するのが嫌だという人もいますよね。

そういった場合には、個別に別の医療機関で健康診断を受け、健康診断の結果を会社に提出すれば、問題ありません。

ただし、そのときは労働安全衛生法で受診を義務付けられている項目がもれなく記載されているかどうかの確認を忘れないようにしてくださいね。

中には健康診断の結果を人に知られたくないから受けないという人もいるかもしれません。

でもご安心ください。

個人情報保護法では、会社が個人情報を取得する場合には労働者の同意が必要とされているのです。

しかし、最近起こっているような大きな事故の解明のためなど、どうしても他の法律で定めがあるときは適用外となる場合もあります。

でもそういったことは稀です。

健康診断に従事した人がそこで知りえた秘密を他に漏らす行為は法律違反です。

プライバシーにしっかり配慮されていますから、ご自分のためにも、大切なご家族のためにも健康診断を受けて、健康管理をするようにしましょう。

健康あっての仕事です。

川澄さん、まずは健康診断を受診しましょう。

健康診断も大切な仕事のひとつですよ。

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