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物損事故では慰謝料はとれない!?

物損事故では、自身の持ち物(財産)が損害を受けることになります。

 

そうなれば、誰しも良い気などしませんし、大なり小なり嫌な気持になることでしょう。

 

そこで、物に対しての損害だけでなく、精神的に嫌な思いをさせられたことに対する損害も得られるのでは?という疑問が湧きます。

 

しかし、一般的に物損事故による財産的損害について、慰謝料が認められることは難しいところです。

 

判例から見ても、例えば自宅兼店舗の入り口に車が突っ込んできたケースを見ても、家族の平穏が乱されたとして認められた慰謝料は3万円程度です。

 

また、自宅の玄関先に車が衝突して一か月以上にもわたり玄関がベニヤで打ち付けた状態のケースでも、生活上、家業上の不便により被った精神的苦痛に対して認められた慰謝料は20万円程度です。

 

人身事故とは異なり、高額な慰謝料は難しいといえます。

物損事故ではどのような費用を賠償してもらえるのか?

次に、どのような費用とその範囲において見ていきましょう。

 

・中古車が全損した場合
修理が不可能な破損の場合と修理が可能な場合があるでしょう。

 

修理が不可能な場合には全損事故となりますが、新しい車を購入する費用を請求したいところですが、もともと乗っていた車より高価な車や新車を購入する費用は認められません。

 

事故当時の時価額が賠償額となります。

 

そして、修理が可能な場合ですが、修理が可能であっても事故当時の時価額を修理費用が超えてしまう場合には、車両の時価額が賠償額となるのが一般的です。

 

このような場合も全損事故となります。

 

因みに、時価額とは?
全損した車と同一の車種、年式、走行距離、同程度の使用状態の車がいくらで売られているかを調べ、その価格を時価となります。

 

 

・新車が全損した場合
修理が不可能な全損の場合と修理が可能な場合があります。

 

新車という事は、買ったばかりですから、同様の新品車両の購入費用を請求したいところですね。

 

しかし、それは認められません。

 

新車であろうと全損であれば、基本的には時価額が損害額とされます。

 

これに関しては、被害者が納得いくはずもなく、トラブルになるケースが多くなっています。

 

・全損に伴う諸費用
全損した場合、新しく買い替えが必要となりますが、その際には自動車登録費用、車庫証明手数料、 納車費用、廃車費用などの諸費用がかかります。
これらの諸費用は請求ができます。

 

ただし、買替えた車両の自賠責保険料、自動車重量税など、全ての諸費用が認められない点は注意が必要です。

 

・修理可能な場合
修理可能な場合にはその修理費用が請求できますが、その範囲を具体的にご説明します。

 

一般的には自動車修理工場の見積書、請求書によって損害額が確定します。

 

ただし、ここでも時価が関係してきます。

 

例えば、3年前に新車で400万円で購入した車が、事故によって130万円の修理費用が必要となった場合です。

 

当然130万円が請求できるものと思われるでしょうが、そうではないこともあります。

 

というのも、3年間使用したことによって、当時300万円した車の時価額は100万円くらいになってしまうことはよくあります。

 

このような場合、修理費用はその時価額である100万円までしか認められません。

 

よって、不足する30万円については自費となるのです。

 

このような修理費用が時価を超えるケースでは、修理して乗り続けるか、全損にして別の車を購入するかは悩むところです。

 

先ほどもご説明したとおり、全損にした場合で認められる請求額も事故当時の時価が基本となります。

 

被害者としてはどうも納得がいかないところですが、判例で見ても厳しいのが現状となっています。

判例を紹介

参考までに関連する判例を紹介しておきます。

 

・最判 昭49.4.15 交民7巻2号275項
修理不能など、重大な損傷によって使用できない場合、事故当時の価格と売却代金の差額が請求額となる。

 

また、中古車の時価は原則として、それと同一の車種、年代、型、同程度の使用状態、走行距離などの自動車の中古車市場で取得 できる価格。

 

・評価損
自動車が破損した場合、修理が可能で事故前の状態となったとしても、事故車となり事故前の時価とはなりません=型落ちとなります。

 

このような場合、評価が下がることになりますので、事故前と事故後の時価の差額については、損害として請求できます。

 

・代車費用
代車が必要な場合、その使用料が相当な範囲で認められます。

 

なお、高級外車に乗っていたからと高級外車を代車として利用したような場合、通常の代車費用より高くなりますが、その分高くついた費用までは認められない可能性があります。

 

・その他、請求できる費用
@営業車が事故にあった場合などで営業主の利益が失われた場合通常損害として認められます。

 

Aレッカー代・保管費用など:事故車両のレッカー代や保管料は損害として認められます。

 

Bペットについて
事故によりペットが負傷した場合、その治療費は認められます。

 

また死亡した場合には、慰謝料が認められます。

 

判例にも数万円の慰謝料が認められたものがあります。

 

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