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過払金請求訴訟はどこに提訴すればよいか

グレーゾーン金利が廃止された平成22年6月20日前に、消費者金融から継続して金銭の借入と返済をされていた方は、過払金が発生している可能性が高いです。

 

過去の取引履歴に基いて、利息制限法上の制限利率に基いて引き直し計算を行い、過払金が発生していることがあきらかとなった場合、裁判所に提訴して勝訴すれば、過払金の返還を受けることができます。

 

ところで、裁判所といっても様々ありますから、その場合に、一体どこの裁判所に提訴すればよいかが問題となります。

事物管轄について

まず、地方裁判所と簡易裁判所のどちらに提訴したらよいかという問題があります。

 

裁判には事物管轄というものがあります。

 

訴訟物の価額に応じて裁判所の管轄を決めるというものです。

 

これによりますと、訴訟物の価額が140万円以下の場合には、簡易裁判所が管轄となります。

 

一方、140万円を超える場合には、地方裁判所の管轄となります。

 

過払金返還訴訟においては、被告である消費者金融業者に返還を求める金額の総額が140万円を超えるか否かで、簡易裁判所に提訴するか、地方裁判所に提訴するかが決まってきます。


土地管轄について

次に、どこの裁判所へ提訴するかという問題があります。

 

まず、被告である消費者金融業者の本店又は支店の所在地を管轄する裁判所に、訴えることができます。

 

次に、民事訴訟法に、財産上の訴えは義務の履行地の裁判所に訴えることができる、と規定されており、過払金債務は持参債務として債権者の住所で履行することになりますから、原告である請求者の住所地を管轄する裁判所にも提訴できます。

 

さらに、慰謝料や弁護士費用を請求する場合、不法行為地も管轄となります。

 

不法行為地とは、慰謝料の場合には、原告が、不当な利息を請求されたことにより苦痛を被った地が不法行為地となります。従って、この場合にも、原告の住所を管轄する裁判所に提訴できます。

 

訴えを起こす場合には、被告の本店又は支店の住所地、原告の住所地、不法行為のあった場所、このそれぞれの場所を管轄する裁判所の内から、原告にとって一番有利な裁判所を選んで、それを行います。

応訴管轄について

裁判所の管轄には応訴管轄というものがあります。

 

応訴管轄とは、管轄違いの提訴がなされた場合でも、相手方が、その訴えが管轄違いであることの主張をせず、かつ、その訴えに対して陳述をした場合には、当該裁判所に管轄が生じることであります。

 

応訴管轄が生じれば、本来であれば、その裁判所での裁判は、管轄違いの訴えとして、認められないところ、例外的に、認められることになります。

 

過払金返還訴訟では、第1回目の口頭弁論の期日に、被告側は出廷せず、事前に提出された、従業員が作成した、支店長や代表取締役名義の答弁書の提出をもって、被告側の陳述に代えることがよくあります。

 

これを擬制陳述と言います。

 

この擬制陳述がある場合には、原告が、管轄違いの裁判所に提訴しても、被告側は、書類を提出するだけですから、管轄違いについて熟慮しないで、簡単に答弁書を提出してくることが多くなります。

 

この場合には、原告が、管轄違いの裁判所に提訴しても、相手方が応訴することにより、応訴管轄が生じ、正当な管轄の裁判所への提訴に変更できる可能性が高まります。

 

これを狙って、管轄違いでも、原告の住所の最寄りの裁判所に提訴してもいい場合もあります。

 

ただし、被告が、第1回口頭弁論において擬制陳述をせず、裁判上の代理権を持つ代表取締役や支店長又は委任を受けた弁護士などが出廷して、答弁する場合もあります。

 

このケースでは、管轄違いの抗弁をされる可能性が高く、応訴管轄による管轄違いの修正は期待できません。

 

この場合には、最初に述べたとおり、民事訴訟法上の管轄に従って適切な裁判所を選択し、そこに提訴します。

 

民事訴訟上の管轄に沿って適切な裁判所を選択するには、140万円以上なのか、それともそれ以下なのか
不法行為地があったのかなど、一つ一つ整理しながら様々な側面を踏まえたうえで判断する必要があります。

 

正当な過払い金請求を行うためにもあなたに合った適切な裁判所を選ぶことが大切です。
そのためにも、まずは専門家に相談しましょう。

 

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